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(写真左:アイジー千葉店 川口   写真右:株式会社エンゼルハウス 執行役員 事業本部長 坂田様)

「ダンパーの性能はどれも同じ」と思っていたら違いました。

千葉県内で注文住宅を手掛け、こだわりの工法・材料を推進するため全国的にネットワーク展開もされている株式会社エンゼルハウス様。今回は千葉県の本社へお伺いし、執行役員 事業本部長の坂田様に、制振装置MER-Systemのご採用までの経緯や実際にご採用頂いてみての感想を中心にお話を伺いました。

まずは、エンゼルハウス様の「構造」に関する基本的な考え方を教えて下さい

「第一に構造重視」というのは創業当時から貫いています。

基礎に関しても、当時はみんな布基礎だったのですが、いち早く一体打ちのベタ基礎を採用しました。材木に関しても、11年前に「スーパーJドライ檜」という完全乾燥のヒノキの無垢材を開発し、以来ずっと使い続けています。「国産の無垢材を使いたい」という想いがずっとあったんですが無垢材は乾燥が足りなかったんです。実用するにしてもあとで反りや狂いが出て困っていたのを、「完全乾燥」という乾燥技術を、東京大学農学部の先生と一緒に開発して共同で特許も取得し、技術を確立することで解消しました。それからは国産のヒノキ無垢材を柱・土台に使うというのをまず基本に置いています。梁や小屋材に関しては、一般的にはあまり使わないんですが、国産のカラマツを使っています。

また、全ての材料について、一回り大きくしています。もともと当社は「金沢ハウジング」という名前だったのですが、何故「金沢」なのかというと雪国の住宅の造りは重い雪が載るため非常に構造材が太いんですよ。そういう造りを踏襲していますよという意味を込めて金沢ハウジングとして創業しました。その考えは今でもあって、柱については関東は通常3寸5分、105mm角の柱なんですが、それを4寸の120mm角にすることにずっとこだわりをもっています。最近は同じような構造でやっていらっしゃるビルダー様もいらっしゃいますが、当社は創業から20年以上、ずっと構造にこだわっています。

創業から28年(2014年9月現在)になるんですが、最初の段階で「ベタ基礎」「骨太な骨組」を採用しています。創業当初は国産材ではなかったんですが、10年ほど経ったころから国産材を使うようになり、現在ではほぼ100%国産材を使った家づくりをしています。

「基礎」と「構造体」に強いこだわりをお持ちの中で、最初に「制振工法」を取り入れられたのはいつごろでしたか?

随分前ですね・・・横浜の展示場がオープンしたときに(2006年8月)もう制振装置は採用していたんですよ。当時採用していたのはパネルが上下に分かれていて、中央に横向きにダンパーがついているタイプのものでした。

耐震性の確保にももちろんこだわっていまして、外壁用のMDFの構造用合板を販売当初から採用するなど、他社に先駆けて耐震に取り組んでいた自負があります。

そうしてずっと耐震、耐震と言って取り組んでいたのですが、2006年ごろからは「耐震だけでなくて制震も」というのを言い始めました。ただ、当初は営業マンたちもあまり意識がなかったので、お客様へしっかりお伝えすることはしておらず、あまり採用するケースはありませんでした。展示場に飾ってあったような状態でしたが、それでも何棟かは採用しました。

ずっとそのメーカーのものを使っていたのですが、あまり採用数も増えなかったこともあって、違うメーカーの制振装置を使うようになりました。とにかく、様々なメーカーの制振装置を探って試して、4年ほど前から粘弾性系の制振装置を採用していました。このとき、メーカーさんが実験装置を持っていたので、招待されて社内の営業や技術のスタッフで見に行ったのですがそれが結構インパクトがありました。実際に自社の耐震だけの構造だと壁がはじけたりしているのを見ると、実際の実感として「耐震だけではダメだ」というのが良く分かりましたね。その頃から社内の制振への意識が強まってきて、今では定着していますね。当社は主に現場見学会でお客様を集客しており、現在採用している壁付けパネルタイプの装置は、非常に目立つため、現場でお客様に強い興味を持っていただけます。

そうした状況の中でHKS MER-Systemを採用されたきっかけは何だったのですか?

最初は確かアフター点検の話をしていたんですよね。その時たまたまMER-Systemのパンフレットを持っていらっしゃったので、私の方から先に「これを見たい」という話をさせて頂いたんですよ(笑)。

それはやはりいろんなメーカーの製品を検証されたいというお考えで?

そうですね。先ほど話した壁付けパネルタイプのものはインパクトがあっていいんですが、施工性が悪いんですよ。慣れた大工さんでやっと1日、初めての大工さんは2日かかりました。取りつけ時に馬力のある工具も必要だったりと制約も結構ありましたので、「もっと施工が楽で同じ効果が得られないか」ということは考えていまして、やっぱりダンパーだという考えはあったんです。それで、別の油圧式ダンパーを採用したのですが、施工も楽でしたし性能も同じだろうと思っていました。でも、そのあとでアイジーさんの話を聞いて同じ油圧式ダンパーでも全然性能が違うということを知ったわけなんですが(笑)。

そういう経緯もあって、ちょうどダンパーのパンフレットを持っておられたので聞いてみたのがきっかけでしたね。

様々な制振装置を検証してこられた中で、それぞれに良い点・悪い点があると思うのですが、MER-Systemを採用された決め手は何でしたか?

「施工性」と「性能」ですね。これを天秤にかけて考えるのですが、性能と同時にエンドユーザーにアピールできるかというものポイントになります。壁付けパネルタイプのものはアピール度は高いのですが、施工性が良くない。MER-Systemは施工性は二重丸だし、効果も期待できるのであればそれが一番だと考えています。また、製造メーカーが「HKS」ということや、代理店であるアイジーさんの企業姿勢もポイントでした。

ありがとうございます。制振装置の「性能」として、具体的にどのような部分を重視されましたか?

今までいくつか試した時に、ひどい製品はオイル漏れしたものもありましたので、製品の精度についてはもちろん重視しました。また、実際の地震の周波数や振動の種類に対してどういう効果があるのかといった詳しい説明をしてくれないところがほとんどでした。付ければもちろん揺れを止めるんだろう、というのは分かるんですが、もっと細かいいろんな現象が起きているときにどうなっているんだという質問をしても答えなかったり、答えられないのかも知れないですが、製品自体はいいものであっても、そのような対応だとあまり信用をおけないですよね。

アイジーさんは、そうした細かな説明や立証できる根拠や裏付けについてきちんと準備されていて、「いろんな周波数の地震が起きてもちゃんと効果が出る」という説明を、資料も使ってしっかりしてくれました。ここまできちんと説明してくれたのは初めてでした。

あとは「コスト」ですね。制振装置を採用すればコストがかかるのは当たり前なんですが、現実的にはハードルが上がってしまいますので・・・それぞれいいところも悪いところもある中で、バランスの取れた製品を採用したいと考えています。

実際にMER-Systemを採用されてみて、お客様の反応はいかがですか?

私は実際にお客様と接しているわけではないですが、現場ではやはり反応はあるようですね。トーク集や資料集を頂いてますが、それを充分活用して説明できているかというとまだ少し心もとないところはあるんですけどね。ただ、制振の必要性について、例えば繰り返し余震がくるけどすぐに建て替えるわけにもいかないわけで、その時にどうするんだと、ずっと避難生活するのかとか、そのような話をしっかりお客様にすると、ちゃんと共感されて反応は返ってくるそうですよ。そのあと費用を提示するときにハードルはありますけどね(笑)。自宅の安全性や家族の安全は相当重要なことだとは思うんですが、地震がきていないときにその話をしたときのお客様の感覚だと、コストパフォーマンスというか、バランスが今後の課題ですね。

他のビルダーさんでたまに伺う話なんですが、営業の方が相見の競合相手のことを意識してしまって、製品の中身を理解する前に価格が上がることに抵抗感を持ってしまって理解が進まず、お客様への説明もしっかりできていないということを聞くのですが・・・

それも分かりますね・・・ただ、今のように住宅業界が冷え込んでいる中では、他の会社と差別化するには「構造」というだけではどうしても地味なんですよ。制振装置も構造なんですが、そこで「当社しかできないこんな工法がある」というのを今ならまだMER-Systemを使えば差別化できるんです。その当社どこでも制振装置を使うようになるとは思いますが、先行して採用することで差別化できると考えています。当社では季節ごとにキャンペーンを打ち出してチラシをつくったりもしているのですが、その中でどうやって他社さんとの違いをアピールできるかという点でも、いろんな差別化できるアイテムを持ちたいですしね。

現場の大工さんや職人さんの反応はいかがですか?

壁付けパネルタイプのものに比べたらだいぶラクだと言っていますよ。もちろん、制振装置を付けないのと比べれば手間はかかりますが(笑)、大工さんにとっては棚を付けるのもMER-Systemを付けるのも同じくらいの感覚でやってもらえています。むしろ、「MER-Systemを付けて制振工法にも取り組んでいる会社の現場にいる」ということが大工さんにとっても嬉しいみたいですよ。

あとは、取り付ける前と付けた後の違いも実感していますよ。取り付けた後で上に登って仕事をすると、風での揺れ方が違う、やっぱり効いているんだね、という話を聞きますね。大工さんってそういうことをストレートに言ってくれますよ。

今後はどのように取り組んでいかれますか?

お客様へのアピール方法については、お客様の意識を高めて、先ほどの「コストパフォーマンスの感覚」を縮める取組みをしていきたいですね。お客様に実感して頂く仕掛けを自社でも検討していかねばと考えています。例えば展示場に常設で手軽に体験できる設備を作ったりすることかもしれませんね。

あとは、現場見学会として、構造見学会と完成見学会をやっています。特に当社の家づくりの考え方的には、構造見学会で「出来上がったら見えなくなる部分を、今だからこそみてください」というスタンスでご案内していて、それがきっかけになって来られるお客様は、やっぱり当社の構造を気に入って下さって当社を選んで頂けるんです。全体の比率からすると少ないんですが・・・構造とか制振とかはご主人様が気に入って下さることが多いんですが、やっぱり奥様はどうしても設備やデザインを気にされますし・・・。当社は「設備はあとで交換できても、構造は交換できませんよ」というように、設備や内装より構造を重視したご案内をしているので・・・。

ただ、今住宅の価格はローコスト化が加速していますよね。お客様から見れば、ローコストのメーカーさんと比べたときに完成時の見た目は変わりなく見えてしまいます。本当は、骨組みや防水層の対策といった構造部分が高品質であることを見て頂きたいんですよね。構造重視のお客様へ訴求していくためにも、イベントなどでの仕掛けについてはぜひ提案してください。

アイジーへのご要望があれば教えて下さい。

ダンパーだけではなくご提案頂けることがあればぜひ提案してほしいです。当社もすべての知識を持っているわけではないので、気付かないところに当社にとってメリットになる情報があるかもしれないので、そういうことを教えてもらいたいですね。そういう点ではメールマガジンや「いいご縁」みたいな形で、ニュースみたいな感じで定期的に情報が来るのはいいですね。ずっと続けてもらいたいし、逆にもっと頻度を上げてもらってもいいのかもしれない。「何が欲しい」というのが分かっていればもう動いていますから、知らないところを提供してもらいたいですね。

あとはアフターですね。とにかく既存顧客の囲い込みを一手にやってもらうことで、アウトソーシングの本当の意味での良い効果があるサービスだと感じています。昔はアフターをアウトソースするという考えが一般的ではありませんでしたが、最近はそういう会社さんも増えてきましたし、実際問題として自社スタッフだけでは手が回らないことは社内でもだんだんみんな分かってきている状況ですので、また具体的に相談させてください。

MER-Systemに関してだと、頂いた資料集やトーク集を使って社内勉強会はやっているんですが、まだまだ営業メンバーに浸透しきっていないのが正直なところですね。何度も時間をかけて伝えていこうと思っています。その点でもアイジーさんにご協力頂ければと思います。また、当社の全国の加盟店さんにも紹介していきたいと考えていますのでまたご相談させて下さい。これからもよろしくお願い致します。